映画

『岬の兄妹』を観ました(ネタバレなし感想)

3月公開予定映画8選の記事でも紹介していた、
映画『岬の兄妹』を観に行ってまいりました!

あらすじ

港町に暮らす良夫はある晩、自閉症の妹の真理子が、男に体を許して金銭を受け取ったことを知る。そのころ、良夫が勤める造船所でリストラがあり、良夫は足が不自由であることを理由に辞めさせられてしまう。困窮した良夫は妹の売春のあっせんを始めるが、次第に妹の喜びや悲しみを知り困惑する。さらに売春のことを知った友人が、良夫に忠告しに家にやって来る。(シネマトゥデイより)

ポン・ジュノ監督作品や山下敦弘監督作品などで助監督を務めた片山慎三の初長編監督作。『彼女がその名を知らない鳥たち』『止められるか、俺たちを』などの白石和彌監督に「『岬の兄妹』が報われなければ日本映画に未来はない」と言わしめた作品!

キャスト紹介


良夫 : 松浦祐也
常に情けなさが全面に出ていてなんともいえず愛着が湧いてくる〜。


真理子 : 和田光沙
片山監督いわく、
「あっけらかんとしていて、重い芝居をしていても悲壮感以上に笑える軽さがあった」
時折見せる大人な表情にどきっとさせられた。

感想

正直この映画、感想を書くのがすっごく難しかった…。
色んなことが頭のなかをぐるぐるして。めちゃんこ時間かかってしまった( ◜◡◝ )

重たい題材を重くなり過ぎずに描く

貧困、障害、性、犯罪、暴力…。
扱っている題材が重いので、それなりに覚悟をして映画館へ足を運びました。
が、予想していたより軽やかで、ところどころに笑える箇所も散りばめられた映画でした。

カメラワークの面白さや、光の綺麗なシーンが印象的だった。

もちろん苦しい場面もいっぱいあるのだけど、もうこれ以上見たくない、とはならなくって、
意図的にそういう作り方をされていて。

ラストも「このあと2人はどうなっていくんだろう」と思わされるようなオープンな終わり方で、
重苦しい気持ちになりすぎなかったのが良かった…

汚いものをうつくしく描くってことが出来る人は稀有な存在だなぁ。

主演2人の実在感

重たいテーマでありながらも重苦しくなりすぎなかったのは、主演お2人の雰囲気にもあるなと思った。

良夫の、悪いことしててもあんまり悪く見えないような愛嬌とか、
真理子のあどけなさ、無邪気さ、たおやかさとか。

どん詰まりの生活だし、どうしようもないし、兄がやってることは馬鹿きわまりないし、
なんなんだよもう、もっと他に何かあるだろ、しょーもないなーー
って思ったりもするんだけど

2人が決して不幸そうでなく、ただとにかく生きる!生き抜く!という力が強くて
そのバイタリティに引き込まれた。

あと、2人が生活する家のリアリティがすごかったな。
『万引き家族』でも感じた、貧困過程のリアル感。

突きつけられる日本の現状

実際のところ、こんなこと現実的なのか?
生活保護は?なぜ行政が介入してこないのか?

など疑問が湧いて少し調べたら、いくつもの現実の事例が出てきて
苦しくなって途中で読むのをやめてしまった。

この映画は決して遠い世界の話じゃなくて、ましてや寓話なんかじゃなくて
もしかしたら近くにこの兄妹はいるかもしれない。

でも結局直視することを避けてるだけの自分を突きつけられた。
観ていて、良夫の友人の肇に対してイライラしたり、もっとなんかしてやれよって
思ったりしたけど、肇や肇の奥さんの立ち位置が自分なのかな。

3万貸してくれとせがまれて5千円を渡すシーン、リアルだったな…。
自分がこの状況になったらどうするかなあと思った。
5千円、リアルな金額。

予告編はこちら!